男性育休、なぜ、どのように

先日、ある団体の管理職20名に育児介護休業制度改正についてお話をさせて頂きました。
「次元の異なる」少子化対策が話題になっている昨今、管理職としては重要テーマですね。
耳にするのは「育休の給付金が手取り10割となる」「児童手当が高校生までもらえる、しかも3子以降は3万円」などの給付金の拡充、予算総額は3兆円を超えてスエーデン並みとのこと。確かに、経済的な支援は必要だとは思う。ただ、意外なのは、現在でも「日本の育休制度充実度は先進国1位」に輝いているという事実。(ユニセフ2021年の政策評価)
これは、父親に認める育休期間の長さが奏功しているとのこと。ただし、これはあくまで制度上のことで実態としては欧州各国の5割超の男性育休取得率に比して、日本は14%と低迷している。この辺に本当の課題があるような気がする。
さて、そういった現状を踏まえ、そもそも男性育休をなんで取らなきゃいけなかったんだっけ・・?ということを考えてみたい。
よく言われるのは「2030年までが、人口減少に歯止めを掛けるためのラストチャンス」ということ。そう言われると、緊張感が走る。
そもそも人口減少の背景は何か?専門家ではないので素人として考えるのは、女性の高学歴化、晩婚化、男女ともに未婚率上昇などが浮かんでくる。また、経済的に余裕がなくて子供を産めない、女性だけが仕事に家事に育児に大変でやってられない、というような声も聞かれる。その他、生物学的?、地球環境的?いろいろありそうだ。
そう考えると、男性育休を推奨=人口減少に歯止めを掛ける、というのは、ちょっと端折りすぎのような気がする。もう少し、手前にある課題を解決するための位置づけの方がしっくりくる気がする。つまり高度経済成長期に日本のステレオタイプであった男性は「24時間戦う企業戦士」、女性は「専業主婦」という構造を変えて、それぞれの選択で男女ともに能力を発揮して輝ける社会にするため、であったり、職場における男女間格差を解消するため、そのために男女ともに意識を変えていく必要があるのでは・・と思う。
では、どうやって、男性育休を増やすか?
企業側の対策としては、この流れに抗するのをやめて、これをチャンスととらえることをお勧めしたい。
実際に、育休制度を拡充することで人材確保や離職率の低下という成果を上げた企業もある。これは事実なので、自信をもって男性育休を推進してもらいたい。
そのためにまずやることは、属人的な仕事を見える化し代替要員がいなくても回る仕組みを作ることだと考える。実際に弊社は、コロナパンデミックによってテレワーク整備、そのための業務改善、見える化、などによって生産性が向上した。
それが、ひいては人材の育成、スキルアップにもつながるので一石二鳥、三鳥にもなる。本当です。
まずはより良い職場をイメージして、今いる職員さんと青写真を描いてみませんか。